屋根に使用される材は、屋根材と呼ばれ瓦などが屋根材にあたります。屋根材は8種類あり、デザインや耐用年数、価格や原材料などに違いがあります。屋根材のメリットとデメリットについて屋根のプロがお教えいたします。
家における屋根という部位は、家屋を守るために必要なもので、耐久性やデザインを長期的な面で考える必要があります。屋根材は、家にとって一番見えやすい場所でデザイン的であり、雨梅雨を防ぐための機能的な面もあるのです。
この記事を読み、ご自身のお家にとって最適なお屋根選びの手助けになればと思っております。
1.屋根材の種類選びで重要な3つのポイント
屋根材の選び方には主に3つのポイントがあります。
1.価格
2.デザイン
3.耐用年数
それぞれの選び方について、以下で具体的に解説していきます。
1.価格
2.デザイン
3.耐用年数
それぞれの選び方について、以下で具体的に解説していきます。
(1)価格
屋根材によって工事価格は2倍近く変わります。
安い費用で工事できる屋根材には「スレート」や「トタン」「ガルバリウム鋼板」があります。
トタンは耐用年数が短すぎる難点があるため、価格を重視する人は「スレート」か「ガルバリウム鋼板」を選ぶとよいでしょう。
安い費用で工事できる屋根材には「スレート」や「トタン」「ガルバリウム鋼板」があります。
トタンは耐用年数が短すぎる難点があるため、価格を重視する人は「スレート」か「ガルバリウム鋼板」を選ぶとよいでしょう。
(2)デザイン
デザインは屋根材によって大きく異なります。
特にデザイン性が高いと言われているのは、「粘土瓦」や「アスファルトシングル」です。
特に、粘土瓦は日本家屋に格式高い印象を与えられるためおすすめです。
また、デザインはその建物の外壁などの調和のみならず、景色や他の建物との調和も大切です。
屋根は外から目につきやす場所なので上記のことも考慮しデザインを設計しましょう。
特にデザイン性が高いと言われているのは、「粘土瓦」や「アスファルトシングル」です。
特に、粘土瓦は日本家屋に格式高い印象を与えられるためおすすめです。
また、デザインはその建物の外壁などの調和のみならず、景色や他の建物との調和も大切です。
屋根は外から目につきやす場所なので上記のことも考慮しデザインを設計しましょう。
(3)耐用年数
耐用年数とは、屋根材を交換する時期の目安となる1つの指標です。
屋根材のメンテナンス頻度を下げたい場合は「粘土瓦」や「銅板」が望ましいです。
粘土瓦と銅板はいずれも50年以上の耐用年数があり、他の素材よりも耐久性が高いです。
しかし、銅板は寺のような特殊建築で使うことが多い素材なので、一般住宅なら粘土瓦が向いているでしょう。
屋根材のメンテナンス頻度を下げたい場合は「粘土瓦」や「銅板」が望ましいです。
粘土瓦と銅板はいずれも50年以上の耐用年数があり、他の素材よりも耐久性が高いです。
しかし、銅板は寺のような特殊建築で使うことが多い素材なので、一般住宅なら粘土瓦が向いているでしょう。
2.8種類の屋根材
屋根には主に8種類の屋根材があります。
1.粘土瓦
2.セメント・コンクリート瓦
3.銅板
4.ガルバリウム鋼板
5.トタン
6.化粧スレート
7.天然スレート
8.アスファルトシングル
以下では、それぞれの素材のメリットやデメリット、価格、耐用年数などを紹介していきます。
1.粘土瓦
2.セメント・コンクリート瓦
3.銅板
4.ガルバリウム鋼板
5.トタン
6.化粧スレート
7.天然スレート
8.アスファルトシングル
以下では、それぞれの素材のメリットやデメリット、価格、耐用年数などを紹介していきます。
(1)粘土瓦
粘土瓦とは、粘土を焼いて作る瓦素材です。
「陶器瓦」や「いぶし瓦」「土瓦」などとも呼ばれます。
メリットは6つあります。
1.耐用年数が長い
2.デザイン性が高い
3.断熱性が高い
4.防音性が高い
5.結露しにくい
6.塗装が不要
デメリットは以下の1つです。
1.工事費用が高い
工事価格は1平方メートルあたり9,000〜12,000円と非常に高額です。
耐用年数は50年以上あります。
粘土瓦は、少しでも工事費が高くても構わないという、屋根の耐久性を高めたい方に向いています。
瓦は大きく洋瓦と和瓦に分けることができ、昨今の洋風な建物にも合わせることができます。
「陶器瓦」や「いぶし瓦」「土瓦」などとも呼ばれます。
メリットは6つあります。
1.耐用年数が長い
2.デザイン性が高い
3.断熱性が高い
4.防音性が高い
5.結露しにくい
6.塗装が不要
デメリットは以下の1つです。
1.工事費用が高い
工事価格は1平方メートルあたり9,000〜12,000円と非常に高額です。
耐用年数は50年以上あります。
粘土瓦は、少しでも工事費が高くても構わないという、屋根の耐久性を高めたい方に向いています。
瓦は大きく洋瓦と和瓦に分けることができ、昨今の洋風な建物にも合わせることができます。
(2)セメント・コンクリート瓦
セメント・コンクリート瓦とは、セメントやコンクリートを材料にして作る瓦素材です。
「モニエル瓦」とも呼びます。
デメリットが多いため近年では利用する住宅が減っています。
メリットは3つあります。
1.粘土瓦より安い価格で瓦のデザインを取り入れられる
2.断熱性が高い
3.防音性が高い
デメリットは以下の4つです。
1.粘土瓦よりも耐用年数が短い
2.重いため耐震性が低下する
3.塗装が必要
4.現在ではほとんど生産されていない
工事価格は1平方メートルあたり6,000〜8,000円です。
耐用年数は30年程度です。
セメント・コンクリート瓦は、粘土瓦のメリットと価格の安さをバランスよく取り入れる場合に適しています。
「モニエル瓦」とも呼びます。
デメリットが多いため近年では利用する住宅が減っています。
メリットは3つあります。
1.粘土瓦より安い価格で瓦のデザインを取り入れられる
2.断熱性が高い
3.防音性が高い
デメリットは以下の4つです。
1.粘土瓦よりも耐用年数が短い
2.重いため耐震性が低下する
3.塗装が必要
4.現在ではほとんど生産されていない
工事価格は1平方メートルあたり6,000〜8,000円です。
耐用年数は30年程度です。
セメント・コンクリート瓦は、粘土瓦のメリットと価格の安さをバランスよく取り入れる場合に適しています。
(3)銅板
銅板屋根とは、銅製の板を屋根に張り付けたものです。
寺などの特殊建築で主に利用します。
屋根材のなかで耐用年数が最も長いです。
メリットは、以下の4つです。
1.耐用年数が最も長い
2.錆びても耐用年数が短くならない
3.塗装が不要
4.軽量で耐震性が高い
デメリットは、2つあります。
1.価格が最も高い
2.工事ができる業者が非常に少ない
工事価格は1平方メートルあたり20,000円以上と非常に高額です。
耐用年数は60年以上です。
銅は、大仏や自由の女神にも使われている素材で、耐用年数が100年を超えるものも珍しくありません。
銅板は、屋根の耐用年数を長くするためであれば、業者を探す手間と高額な費用を惜しまない、という方に適していると言えます。
寺などの特殊建築で主に利用します。
屋根材のなかで耐用年数が最も長いです。
メリットは、以下の4つです。
1.耐用年数が最も長い
2.錆びても耐用年数が短くならない
3.塗装が不要
4.軽量で耐震性が高い
デメリットは、2つあります。
1.価格が最も高い
2.工事ができる業者が非常に少ない
工事価格は1平方メートルあたり20,000円以上と非常に高額です。
耐用年数は60年以上です。
銅は、大仏や自由の女神にも使われている素材で、耐用年数が100年を超えるものも珍しくありません。
銅板は、屋根の耐用年数を長くするためであれば、業者を探す手間と高額な費用を惜しまない、という方に適していると言えます。
(4)ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された鋼板素材です。
コストパフォーマンスに優れているため、金属の屋根材では最も人気があります。
メリットは、以下の5つです。
1.軽量で耐震性が高い
2.金属素材としては錆びにくい
3.防水性が高い
4.安価で工事ができる「カバー工法」に最適
5.複雑な形状の屋根にも対応できる
※カバー工法とは、現在の屋根に新しい屋根材を重ねて施工する安価な工事方法です
デメリットは、以下の3つです。
1.キズが付きやすい
2.防音性が低い
3.塗装が必要
工事価格は1平方メートルあたり6,000〜9,000円です。
耐用年数は30年程度、塗装スパン10年〜15年です。
ガルバリウム鋼板は、カバー工法で安く屋根工事をしたい人や、雨漏り対策を重視したい場合に適しています。
コストパフォーマンスに優れているため、金属の屋根材では最も人気があります。
メリットは、以下の5つです。
1.軽量で耐震性が高い
2.金属素材としては錆びにくい
3.防水性が高い
4.安価で工事ができる「カバー工法」に最適
5.複雑な形状の屋根にも対応できる
※カバー工法とは、現在の屋根に新しい屋根材を重ねて施工する安価な工事方法です
デメリットは、以下の3つです。
1.キズが付きやすい
2.防音性が低い
3.塗装が必要
工事価格は1平方メートルあたり6,000〜9,000円です。
耐用年数は30年程度、塗装スパン10年〜15年です。
ガルバリウム鋼板は、カバー工法で安く屋根工事をしたい人や、雨漏り対策を重視したい場合に適しています。
(5)トタン
トタンとは、亜鉛でメッキ加工した薄い鉄板素材です。
デメリットが多いため、近年では使用する住宅が減っています。
「瓦棒」と呼ばれる屋根材もトタンの1種になります。
メリットは、2つあります。
1.工事価格が安い
2.軽量で耐震性が高い
デメリットは、5つあります。
1.耐用年数が非常に短い
2.錆びやすい
3.断熱性が低い
4.防音性が低い
5.塗装が必要
工事価格は1平方メートルあたり5,000〜6,000円です。
耐用年数は10〜20年で屋根材としては最も短いです。
トタンは、10年程度で屋根材を交換してもいいから工事価格をとにかく安くしたい方に適しています。
デメリットが多いため、近年では使用する住宅が減っています。
「瓦棒」と呼ばれる屋根材もトタンの1種になります。
メリットは、2つあります。
1.工事価格が安い
2.軽量で耐震性が高い
デメリットは、5つあります。
1.耐用年数が非常に短い
2.錆びやすい
3.断熱性が低い
4.防音性が低い
5.塗装が必要
工事価格は1平方メートルあたり5,000〜6,000円です。
耐用年数は10〜20年で屋根材としては最も短いです。
トタンは、10年程度で屋根材を交換してもいいから工事価格をとにかく安くしたい方に適しています。
(6)化粧スレート
化粧スレートとは、セメントなどを材料として作る板状の屋根材です。
「人工スレート」や「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれます。
日本の住宅では特に人気がある屋根材です。
メリットは4つあります。
1.工事価格が安い
2.瓦よりも軽くて耐震性が高い
3.工事できる業者が多い
4. カバー工法が可能
デメリットは以下の3つです。
1.割れやすい
2.塗装が必要
3.2004年以前の商品はアスベストを含むおそれがある
工事価格は1平方メートルあたり4,500〜8,000円です。
耐用年数は20〜25年程度です。
化粧スレートは、耐用年数と価格のコストパフォーマンスに優れた屋根材を使いたい方に向いています。
「人工スレート」や「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれます。
日本の住宅では特に人気がある屋根材です。
メリットは4つあります。
1.工事価格が安い
2.瓦よりも軽くて耐震性が高い
3.工事できる業者が多い
4. カバー工法が可能
デメリットは以下の3つです。
1.割れやすい
2.塗装が必要
3.2004年以前の商品はアスベストを含むおそれがある
工事価格は1平方メートルあたり4,500〜8,000円です。
耐用年数は20〜25年程度です。
化粧スレートは、耐用年数と価格のコストパフォーマンスに優れた屋根材を使いたい方に向いています。
(7)天然スレート
天然スレートとは、岩石を材料とした薄い板状の屋根材です。
メリットは、化粧スレートに比べると天然石にしかない美しさがあることです。
デメリットは、化粧スレートに比べると価格が高いことと、重いために耐震性が低下する点です。
工事価格は1平方メートルあたり10,000円以上です。
耐用年数は20年以上です。基本的に化粧スレートよりも耐用年数は長いです。
天然スレートは、化粧スレートよりもデザイン性が高いスレート屋根にしたい場合に適しています。
メリットは、化粧スレートに比べると天然石にしかない美しさがあることです。
デメリットは、化粧スレートに比べると価格が高いことと、重いために耐震性が低下する点です。
工事価格は1平方メートルあたり10,000円以上です。
耐用年数は20年以上です。基本的に化粧スレートよりも耐用年数は長いです。
天然スレートは、化粧スレートよりもデザイン性が高いスレート屋根にしたい場合に適しています。
(8)アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に石を吹き付けたシート状の屋根材です。
メリットは、以下の5つです。
1.軽量で耐震性が高い
2.錆びない
3.割れない
4.デザイン性が高い
5.複雑な形状の屋根にも対応できる
デメリットは、以下の4つです。
1.風で吹き飛びやすい
2.表面の石が落ちやすい
3.カビやコケが生えやすい
4.工事ができる業者が少ない
工事価格は1平方メートルあたり5,000〜6,000円ですが、施工業者が少ないため工賃が高くなるおそれがあります。
耐用年数は20〜30年程度です。
アスファルトシングルは、屋根のデザイン性を高めたい方に適しています。
メリットは、以下の5つです。
1.軽量で耐震性が高い
2.錆びない
3.割れない
4.デザイン性が高い
5.複雑な形状の屋根にも対応できる
デメリットは、以下の4つです。
1.風で吹き飛びやすい
2.表面の石が落ちやすい
3.カビやコケが生えやすい
4.工事ができる業者が少ない
工事価格は1平方メートルあたり5,000〜6,000円ですが、施工業者が少ないため工賃が高くなるおそれがあります。
耐用年数は20〜30年程度です。
アスファルトシングルは、屋根のデザイン性を高めたい方に適しています。
3.屋根材に選びで迷ったら
使う屋根材は、価格やデザイン性、耐用年数のバランスを考えて選ぶことをおすすめします。
価格で選ぶのなら、化粧スレートが最適です。
デザイン性で選ぶのなら、アスファルトシングルや粘土瓦がよいでしょう。
耐用年数なら、粘土瓦や銅板がおすすめです。
コストパフォーマンスに優れている人気の屋根材は「化粧スレート」と「ガルバリウム鋼板」です。
屋根材選びで迷うようなら上記のどちらかを選ぶとよいでしょう。
最後に、これまでの内容を簡単にまとめておきましょう。
・屋根材には8種類の屋根材がある・
・屋根材を選ぶ基準は1.価格、2.デザイン、3.耐用年数
・おすすめの屋根材は、「ガルバニウム鋼板」、「化粧スレート」
価格で選ぶのなら、化粧スレートが最適です。
デザイン性で選ぶのなら、アスファルトシングルや粘土瓦がよいでしょう。
耐用年数なら、粘土瓦や銅板がおすすめです。
コストパフォーマンスに優れている人気の屋根材は「化粧スレート」と「ガルバリウム鋼板」です。
屋根材選びで迷うようなら上記のどちらかを選ぶとよいでしょう。
最後に、これまでの内容を簡単にまとめておきましょう。
・屋根材には8種類の屋根材がある・
・屋根材を選ぶ基準は1.価格、2.デザイン、3.耐用年数
・おすすめの屋根材は、「ガルバニウム鋼板」、「化粧スレート」