非常用発電機の点検方法の1つ、予防的保全策。非常用発電機の4つの点検方法のうち、予防的保全策を除く、他の3つの点検方法との違いも解説。種類によるメリットとデメリットについてもわかりやすいです。
1予防的保全策とは何か
平成30年6月1日付け消防庁告示第十二号において点検基準が改正され、負荷運転(疑似負荷試験・負荷試験)とは別に2つの点検方法での点検が認められました。
予防的保全策とは、非常用発電機(自家用発電機)の機能を保持し運転性能を確認する点検作業となります。
他の点検方法と同様、予防的保全策においても点検を行なったとみなすことが出来るということです。
予防的保全策とは、非常用発電機(自家用発電機)の機能を保持し運転性能を確認する点検作業となります。
他の点検方法と同様、予防的保全策においても点検を行なったとみなすことが出来るということです。
(1)非常用発電機とは何か
非常用発電機は、自家発電設備の中の1種類で一般的に、電力会社からの電力供給が途絶えた場合に、自動的に発電機を稼働させて発電を行うものです。
大規模な地震や火災によって停電が起きてしまった場合、防災設備や人命を救助する設備が稼働できなくなると、大変なことになってしまいます。
緊急事態が起きた時でも防災設備を稼働させられるように、条件を満たす建物においては、消防法と建築基準法によって非常用発電機の設置が義務付けられています。
また、昨今では法令による設置義務がない建物でも緊急事態が起きた時に備え、保安用として非常用発電機の導入を検討している企業が増えています。
大規模な地震や火災によって停電が起きてしまった場合、防災設備や人命を救助する設備が稼働できなくなると、大変なことになってしまいます。
緊急事態が起きた時でも防災設備を稼働させられるように、条件を満たす建物においては、消防法と建築基準法によって非常用発電機の設置が義務付けられています。
また、昨今では法令による設置義務がない建物でも緊急事態が起きた時に備え、保安用として非常用発電機の導入を検討している企業が増えています。
(2)非常用自家発電機の負荷試験とは
非常用自家発電機は「非常用」とその名に付く通り、火災などの災害時に停電してしまった場合でも、設置されている防災設備が動作するよう防災設備専用に用意されている電源設備です。非常用自家発電機は災害時の人命救助においてなくてはならないものであり、被害の拡大を防ぐ重要な設備です。そのため、非常時に正常に動作するかどうかを定期的に点検する必要があり、その点検の際に行われるのが負荷試験です。
自動車もエンジンを起動しただけでは走らないように、非常用自家発電機もエンジンを起動しても電気的な負荷をかけないと発電しません。そのため、負荷試験では擬似負荷装置という発電機に電気的な負荷をかけることができる試験装置を用いて、発電機の定格出力の30%以上の負荷をかけて運転をさせ、不具合がないかを確認します。
非常用自家発電機は基本的に非常時にしか動作しないものなので、故障の可能性は低いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、経年劣化や設置環境の変化などにより、いざ動作した際に出力低下やオーバーヒート、油圧異常などの不具合が発生する可能性があるのです。負荷試験はそうした不具合の芽を摘む、重要な作業なのです。
自動車もエンジンを起動しただけでは走らないように、非常用自家発電機もエンジンを起動しても電気的な負荷をかけないと発電しません。そのため、負荷試験では擬似負荷装置という発電機に電気的な負荷をかけることができる試験装置を用いて、発電機の定格出力の30%以上の負荷をかけて運転をさせ、不具合がないかを確認します。
非常用自家発電機は基本的に非常時にしか動作しないものなので、故障の可能性は低いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、経年劣化や設置環境の変化などにより、いざ動作した際に出力低下やオーバーヒート、油圧異常などの不具合が発生する可能性があるのです。負荷試験はそうした不具合の芽を摘む、重要な作業なのです。
予防的保全策の点検要領
予防的保全策を非常用発電機の点検として行う場合、点検項目は多く、非常用発電機のメーカーにより点検箇所や点検箇所の交換時期は異なります。
予防的保全策は、1年に1度"確認すべき項目"とメーカーごとに期間が設けられている"交換すべき部品"になります。
予防的保全策は、1年に1度"確認すべき項目"とメーカーごとに期間が設けられている"交換すべき部品"になります。
(1)確認すべき項目
(1)自家発電設備に予熱栓が設けられている場合
予熱栓の発熱部に断線、変形、絶縁不良等がないこと。
(2)自家発電設備に点火栓が設けられている場合
ア. 電極の異常な消耗がないこと。
イ. プラグギャップ値が製造者の指定値範囲内であること。
ウ. 異常なカーボンの付着がないこと。
(3)自家発電設備に冷却水ヒータが設けられている場合
ア. 冷却水ヒータケース外周又は近傍の配管等に触れ、その他の部位より温度が高いことを確認すること。
イ. テスタにて冷却水ヒータの断線等の有無を確認すること。
(4)自家発電設備に潤滑油プライミングポンプが設けられている場合
潤滑油プライミングポンプが正常に作動していることを確認すること。
予熱栓の発熱部に断線、変形、絶縁不良等がないこと。
(2)自家発電設備に点火栓が設けられている場合
ア. 電極の異常な消耗がないこと。
イ. プラグギャップ値が製造者の指定値範囲内であること。
ウ. 異常なカーボンの付着がないこと。
(3)自家発電設備に冷却水ヒータが設けられている場合
ア. 冷却水ヒータケース外周又は近傍の配管等に触れ、その他の部位より温度が高いことを確認すること。
イ. テスタにて冷却水ヒータの断線等の有無を確認すること。
(4)自家発電設備に潤滑油プライミングポンプが設けられている場合
潤滑油プライミングポンプが正常に作動していることを確認すること。
(2)交換すべき部品
2 交換すべき部品
(1)潤滑油
(2)冷却水
(3)燃料フィルター
(4)潤滑油フィルター
(5)ファン駆動用Vベルト
(6)冷却水用等のゴムホース
(7)燃料、冷却水、潤滑油、給気、排気系統や外箱等に用いられるシール材
(8)始動用の蓄電池
(1)潤滑油
(2)冷却水
(3)燃料フィルター
(4)潤滑油フィルター
(5)ファン駆動用Vベルト
(6)冷却水用等のゴムホース
(7)燃料、冷却水、潤滑油、給気、排気系統や外箱等に用いられるシール材
(8)始動用の蓄電池
非常用発電機の関係法令について
非常用自家発電機の負荷試験点検は消防法(消防予第214号第24-3 総合点検)により義務付けられており、6ヶ月に1度の機器点検や1年に1度の総合点検の実施と報告があります。その他、建築基準法や電気事業法などの法の影響も受けますが、予防的保全策の最新の消防法の改正について触れていきます。
平成30年6月1日に自家発電機の点検基準と点検報告書の一部が改正されました。
点検方法の追加や点検周期の延長など大きく分けて4つの改正が行われています。
自家発電機点検の改正内容の4つのポイントについてご紹介します。
平成30年6月1日に自家発電機の点検基準と点検報告書の一部が改正されました。
点検方法の追加や点検周期の延長など大きく分けて4つの改正が行われています。
自家発電機点検の改正内容の4つのポイントについてご紹介します。
非常用発電機の点検方法が改正されました(平成30年6月1日施行)
■自家発電機の点検方法改正4つのポイント
自家発電機の負荷運転を行う際、商用電源を停電させなければ実負荷による点検ができない場合があり、また、屋上や地階など自家発電設備が設置されている場所によっては擬似負荷装置の配置が難しく装置を利用した点検ができない場合があるため、これらの問題を解消するために、従来の点検方法のあり方を消防庁が検証し、改正が行われました。
<改正ポイント>
①負荷運転に代えて行うことができる点検方法として、内部観察等を追加
総合点検における運転性能の確認方法は以前は負荷運転のみでしたが、改正後は負荷運転もしくは内部観察等(※内部観察については後述)となりました。
②負荷運転及び内部観察等の点検周期を6年に1回に延長
負荷運転の実施周期は一年に一回でしたが、運転性能の維持に係る予防的な保全策(※保全策については後述)が講じられている場合は6年に1回となりました。
③原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要
負荷運転が必要な自家発電設備は以前は全ての自家発電設備が対象でしたが、改正後は原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要となりました。
④換気性能点検は負荷運転時ではなく、無負荷運転時等に実施するように変更
換気性能の点検は負荷運転時に実施することとされていましたが、改正後は無負荷運転時に実施することとなりました。
自家発電機の負荷運転を行う際、商用電源を停電させなければ実負荷による点検ができない場合があり、また、屋上や地階など自家発電設備が設置されている場所によっては擬似負荷装置の配置が難しく装置を利用した点検ができない場合があるため、これらの問題を解消するために、従来の点検方法のあり方を消防庁が検証し、改正が行われました。
<改正ポイント>
①負荷運転に代えて行うことができる点検方法として、内部観察等を追加
総合点検における運転性能の確認方法は以前は負荷運転のみでしたが、改正後は負荷運転もしくは内部観察等(※内部観察については後述)となりました。
②負荷運転及び内部観察等の点検周期を6年に1回に延長
負荷運転の実施周期は一年に一回でしたが、運転性能の維持に係る予防的な保全策(※保全策については後述)が講じられている場合は6年に1回となりました。
③原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要
負荷運転が必要な自家発電設備は以前は全ての自家発電設備が対象でしたが、改正後は原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要となりました。
④換気性能点検は負荷運転時ではなく、無負荷運転時等に実施するように変更
換気性能の点検は負荷運転時に実施することとされていましたが、改正後は無負荷運転時に実施することとなりました。
まとめ
よくあるご質問で「予防的保全策を実施すれば6年間なにも点検しなくていいのでは?」と
ご質問をいただくことがありますが、正確には予防的保全策を毎年実施することで、
最長5年間連続で負荷試験、または内部観察の実施が免除となります。
非常用発電機の点検は1年に2回消防法で定められています(機能点検と総合点検)
この総合点検の報告時には第24様式にて非常用発電機の点検報告義務があり、
毎年点検(負荷運転もしくは予防的保全策または内部観察)を行う必要がありますので、
思い違いによる未実施などには十分ご注意ください。
弊社としましては、ブログ内容にも書きましたが試験間隔が長くなることで不具合が進行したり、複数の不具合が併発したりする可能性が高まるため、比例して点検の際にかかるコストが高くなる可能性があります。
などの理由や毎年予防的保全策の場合施工金額が毎年変わるなどで予算も面倒かと思います。
是非日々のお考えのご助力になればと存じます。
では今週はここまで!!来週もご安全に!!!
ご質問をいただくことがありますが、正確には予防的保全策を毎年実施することで、
最長5年間連続で負荷試験、または内部観察の実施が免除となります。
非常用発電機の点検は1年に2回消防法で定められています(機能点検と総合点検)
この総合点検の報告時には第24様式にて非常用発電機の点検報告義務があり、
毎年点検(負荷運転もしくは予防的保全策または内部観察)を行う必要がありますので、
思い違いによる未実施などには十分ご注意ください。
弊社としましては、ブログ内容にも書きましたが試験間隔が長くなることで不具合が進行したり、複数の不具合が併発したりする可能性が高まるため、比例して点検の際にかかるコストが高くなる可能性があります。
などの理由や毎年予防的保全策の場合施工金額が毎年変わるなどで予算も面倒かと思います。
是非日々のお考えのご助力になればと存じます。
では今週はここまで!!来週もご安全に!!!